2018/6/7 No.3748
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 10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
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   今日のNews
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●英ロンドン中心部ナイツブリッジにある高級ホテルで6日、火災があった。出火
原因は不明。BBC放送によると、救急搬送された負傷者はいない。在英日本大使館
にも日本人の被害情報は入っていない。
 出火したのは高級ホテル「マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドン」。
 現場周辺は高級百貨店ハロッズや有名ブランド店、ホテルなどが立ち並び、世界
 中の観光客が訪れる地区。マンダリンは今月に入って全面改装を終えたばかりだった。
  日本経済新聞  2018年6月7日
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   佐々木の視点・考え方
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★火事に興味があったわけではありません。
 地名の「ナイツブリッジ」に惹かれて取り上げます。

 このホテルの隣は、世界で2番目に高いマンションで、2015年に紹介した時は
 1部屋220億ドルでした。このマンションの部屋をマンダリンオリエンタルの
 サービス付きで一泊800万円で泊まれます。

 ナイツブリッジ駅からハイドパークコーナー駅にかけては、特殊な投資をする投資
 会社がいくつもあり、隠れた投資会社密集地です。私もかつて、ナイツブリッジの
 会社で働いていました。

 思い出したのが、投資の小説で有名なマイケル・ルイス氏(マネーボール、かくて
 行動経済学は生まれり、世紀の空売り、フラッシュ・ボーイズ等)が、バニティ・
 フェア誌に書いた記事を思い出したからです。

 The man who crashed the world というタイトルで、AIGファイナンシャルプロ
 ダクツ社(AIGFP)のジョー・カッサーノ氏の話を書いています。翻訳無。

 そのカッサーノ氏の写真の背景がナイツブリッジだったのです。

 マイケル・ルイス氏はいわゆるリーマン・ショック(世界金融危機)を起こした
 真犯人はカッサーノ氏だと考えています。

 AIGFPは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)という商品を開発して
 銀行等に猛烈に売り込み、多額の利益を稼ぎました。

 CDSとは、特定の企業の債券や国債が破綻すれば、保険金が貰えるという仕組み
 の保険です。

 保険は通常、契約者と関係のある相手しか対象にできませんが、CDSは第3者でも
 容認されています。つまり、付き合いで保有している会社が危ないと思っているけど
 これまでのいきさつやインターバンク関係で排除できない場合に、CDSを買うこと
 でリスクを排除することが出来るのです。

 よって、ベア・スターンズやリーマン・ブラザースなど、サブプライム問題で破たん
 の可能性が大きくなった会社等とデリバティブクロス取引で雁字搦めになっている
 銀行が、こぞってCDSを買ったのです。

 しかし、AIGFPは、CDSを身の丈以上に売ったため、保険の事故リスクが大き
 くなっても、対処することができませんでした。

 この結果、リーマン・ブラザーズが破綻して、CDSで大量の保険金を払う義務が
 生じたAIGも連鎖倒産することになりました。

 ただ、AIGを破綻させると、CDSを買っていた世界中の大銀行の多くが連鎖破
 たんするため、AIGだけは絶対破綻させるなということで、救済されたのです。

 リーマンショックは米国の話だと思う方が多いですが、主役のカッサーノ氏の職場は
 ロンドンであり、世界中が大騒ぎの時にも、ロンドンの高級住宅街ナイツブリッジを
 平気で闊歩する姿が印象的だったのです。