2017/06/20 No.3536
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   今日のNews
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●日米欧の中央銀行が大規模金融緩和を正常化する「出口戦略」を市場が注視して
いる。金融危機の震源地だった米国は量的緩和で膨らんだ巨額資産の圧縮に着手し、
ユーロ圏も緩和縮小へと静かにカジを切った。物価が伸びない日本は日銀が「異
次元緩和」から抜け出せず、出口への歩みで取り残されている。日米欧で歩みが
異なる出口への取り組みは、金融市場にゆがみをもたらす不安がある。
 「経済情勢が想定通りなら、比較的早く着手できる」。14日、米ワシントンの米
 連邦準備理事会(FRB)本部で記者会見したイエレン議長は、資産縮小の開始
 時期を問われて迷いなく答えた。
 FRBは同日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決め、量的緩和で
 膨らんだ資産の縮小に「年内に着手する予定だ」との声明を出したばかり。市場
 は12月の資産縮小開始を見込んでいたが、JPモルガン・チェースは「予測を
 『9月』に前倒しする」と投資家らに連絡した。
       日本経済新聞 2017年6月20日
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   佐々木の視点・考え方
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★今後、どのような内容になるかは不明だが、この「中銀、出口への闘い」シリーズ
 は丁寧に読まれた方が良い。将来的にあなたの運命をも変えてしまう可能性がある
 政策についての話だから。

 脅しているのではない。

 現状の事実と、世間一般の認識の間に大きな格差があるのが、出口戦略の影響だ。

 2009年以降の主要国の中央銀行(FRB、ECB、人民銀行、日銀、BOE
 スイス中銀)は、物凄い勢いで債券や株式を買い集めてきた。
 
 現時点までに彼らが買った債券や株の累計額は世界全体のGDPの38%にも達
 する。今や中銀が世界の債券や株や不動産等金融商品価格を引き上げて史上最大の
 バブルを発生させているのだ。

 世界金融危機から世界経済を救い景気回復させるためと言う趣旨は良かった。
 しかし、危機からすでに9年経った今でも同じ事を続けている現状は、害ばかり
 で益は一部投機家にしかない。

 不必要な資産を、紙幣を印刷して買っているのだから、長くし過ぎると紙幣や通貨
 の信用を失うことになるので、早急に売却しておく事が必要だ。

 このままいけば、バブルが弾け、2008~2009年の世界金融危機を凌ぐ、
 大混乱がやってくる。そうならないように、せめてアメリカだけでも、早く出口
 戦略を進めて、バブル崩壊の悪影響を少なくしよう。

 これがイエレンFRB議長らFOMCメンバーの総意だ。

 あなたは、リーマンショック後に日本株が半値以下になり、急激な円高が起き、
 世界中の需要が一気に消え去った時のことをご記憶だろうか。

 あれの再現があっておかしくないから、FRBは出口戦略を急ぐのだ。

 問題は、中央銀行は現状のような大規模な債券や株の購入をした歴史がない事。
 だから、出口戦略をとった時の市場の反応が読めないこと。

 中銀ですら知らないのだから、投資家やメディアや一般大衆も想像できない結果が
 やってくるしかない。人は、予測できない事を必ず過小評価する習性があるので、
 今は落ち着いているが、現実に動けばパニックになる可能性が大きい。

 これが、主要中央銀行幹部の共通認識だ。

 2008~2009年の世界金融危機での主役は米国銀行欧州銀行だったため、
 日本への悪影響はあれでも少なかった方だ。

 しかし、今回は日本が主役の1人。債券を銀行や保険や年金から大量に購入する
 ことで、彼等にハイリスクな資産クラスを大量に買わせているし、何よりも日本株
 を一手買いしている。

2017/07/13 No.3552
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   今日のNews
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●米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン会長は、中央銀行による債券
 購入プログラムを巻き戻すのは前例のない難しい作業であり、人々が考えている
 よりも大きな混乱をもたらす可能性があるとの見方を示した。
 ダイモン氏は11日パリでの会議で、「このような量的緩和(QE)は過去に例が
ない。このようなQEを巻き戻した経験もない」と語った。「従って、これがリスク
を意味するかもしれないことは明らかだ。かつて経験したことがないからだ」と
指摘した。
 ダイモン氏は「これが規模や量を伴って行われれば、人々が考えているより少し
 大きな混乱をもたらすかもしれない」と述べた。「われわれはどのように進展する
 かを正確に知っているかのように行動しているが、実は分からない」とも指摘した。
      ブルームバーグ 2017年7月12日
●2017年上半期は世界の債券利回りと為替相場の大幅な変動で幕を閉じた。これらの
 動きは、各中央銀行が超金融緩和策から次第に引き締めの方向に向かうことが遅れ
 ばせながら現実になりつつあることを受けたものだ。下半期の波乱のお膳立ては
 整った。
 中銀関係者の先週の発言、とりわけマリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言
 は、今年の債券相場と株式相場を押し上げ変動率を抑えていた市場の状況に疑念を
 抱かせるものだった。
      WSJ 2017年7月3日
●世界的な金融緩和の時代は転換点に近づきつつあるのかもしれない。そうなれば、
 2007-09年の金融危機以来、中央銀行からの甚大な支援を追い風に「フロス(小さ
 なバブル)」の様相を呈してきた金融市場は、試練に立たされる可能性がある。
 米連邦準備制度理事会(FRB)は15年12月以降、今年の2回を含め合計4回利上げし
 ており、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国債と住宅ローン担保証券
 (MBS)からなるポートフォリオの縮小開始計画について概要を明らかにした。
 他の中銀も景気加速に伴いFRBに追随する準備があることを示唆しており、危機
 以降の長期にわたる景気回復期における重要な方向転換となるだろう。
      WSJ 2017年7月4日
●欧州中央銀行(ECB)は目下、西側諸国の中銀が軒並み直面している問題に取り組ん
 でいる。どうすれば金融市場を混乱させることなく刺激策を解消できるかという
 問題だ。だが、昨年末以来うまくバランスを取りながら粛々とこの作業を進めてき
 た中銀が1行ある。投資家が平穏を保つ中で少しずつ国債買い入れを減らしている
 日本銀行だ。
      WSJ 2017年7月7日
●株式相場は過去最高値圏で推移している。だが投資家の間では、それを支えてきた
 中央銀行が緩和の手を緩めようとする中で債券相場が一段安となれば、株価も下落
 しかねないとの懸念が高まっている。
 世界の株式相場は経済成長の安定と大規模な金融緩和を背景に大きく上値を伸ばし
 てきた。だがここにきて、主要中銀が債券買い入れという量的緩和の蛇口を閉める
 見通しが強まり、相場を支える柱の1つが失われようとしている。同時に、一部投
 資家の株式に対する強気見通しも後退しつつある。
 そうした中、投資家は「債券相場が下落したら、株式相場は上昇を維持できるのか」
 という疑問を抱いている。
 米市場が大暴落すると予想する人はほとんどいない。それでも、過去最高値圏にあ
 るせいで、景気後退(リセッション)の兆候が見られた場合の反動はより大きくな
 りそうだと投資家らはみている。株式は今後リターンが低下する半面、ボラティリ
 ティー(変動率)は高まると予想する声は多い。
      WSJ 2017年7月12日
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   佐々木の視点・考え方
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★ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙は7月に入ってから、
 「金融緩和の時代」転換点へと題する特集記事を組んできました。
 直截的な話の端緒は6月27日の欧州中央銀行総裁会議でのドラギECB総裁の
 タカ派的発言でした。

 米国では、FRBの資産縮小がもう直ぐ始まるという話題のみが大きく報じられ
 てきましたが、大西洋をまたいだ欧州でも、ECBが量的緩和政策を終わらせよ
 うとしているとの話も伝わりました。

 米国のみならず欧州も緩和策を終えるのか、そして日本も実際に行動を起こしてい
 るという驚きから、かれこれ9年続いた金融緩和策が大転換することの意味を検証
 しなければいけないと考えてこの特集を組んでいるようです。

 冒頭の記事のJPモルガンCEOの話も、この緩和政策の大転換の影響は、少な
 からず金融機関の経営に打撃を与えるかもという懸念を示し、準備している事を示唆
 するものです。

 市場の雰囲気が米国では大きく変わっている事を良く伝えるWSJの記事群です。