2017/07/10 No.3549
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10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
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今日のNews
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●パナソニックは昭和27年から蛍光灯の照明器具の販売を続けてきたが平成
30年度中に完全に撤退し、店舗や住宅向けなどを全てLEDに切り替える。
技術の向上やサービス強化も重要な取り組みだ。
背景には国内市場の成長鈍化への危機感がある。東日本大震災後の市場の急
成長はピークを過ぎたとの見方は強い。
調査会社の富士経済は、工場など業務用のLED照明器具の国内市場は平成
27年に4913億円だったのが、42年に4278億円に縮小すると予測
している。価格は低下していき、照明器具の長寿命化で蛍光灯のようなペース
での買い替えも期待できない。
パナソニックは家庭用も含め30年度にLED照明の国内売上高2400億円
を目指す。26年度実績より93億円増という控えめな目標だが、それすら
「差別化戦略を充実させなければ達成できない」(関係者)とみられている。
フジサンケイビジネスアイ 2017年7月10日
●KDDI(au)は10日、スマートフォン(スマホ)の主要プランの料金を
引き下げると正式に発表した。端末購入の割引を無くす代わりに、通信料金
を2割程度から最大で3割ほど値下げする。KDDIの田中孝司社長は記者
会見で「格安スマホに対して弱い部分を強化した」と語り、格安スマホへの
顧客流出阻止に自信を見せた。
日本経済新聞 2017年7月10日
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佐々木の視点・考え方
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★成熟した市場では、新規顧客獲得が難しく、どうしても買い替え需要が売上
の柱になります。
しかし、新規利用用途の拡大や、顧客の望む新機能が提示されない限り、
差別化が難しくなっているので、顧客の購買決定ポイントは「価格」になり
ます。安いものが好まれるのです。
LED照明は、東北大震災後の節電の波に乗って普及が進みました。
しかし、今となっては、長寿命と言うメリットと、単価が依然既存品より
高いというデメリットを客が考える事が多くなった結果、売り上げの伸び
が止まりました。
この状況で売り上げを伸ばそうとすれば、価格を安くするしかない訳で、
安売りの結果、全体の市場は縮小します。これでLEDメーカーは困って
います。
スマホも似たような状況です。日本ではほぼ普及が進み、大きな機能面での
変化は無くなりました。ここで売上げを獲得しようとすれば、価格を安く
する以外には無いわけです。
スマホユーザーにとっては上記記事は朗報ですが、KDDIにとって、携帯
キャリアの株主にとっては悪夢です。
安値競争が今後どんどん進むでしょうから、市場全体が縮小し、各携帯キャ
リアの利益が減るからです。今日のKDDI株の下落は、これを織り込んだ
からにほかなりません。
1月前のメルマガで、画期的な新機能を持った新商品「ラジアルタイヤ」の
発表が世界全体のタイヤ市場を縮小させた話を書きました。
LED照明やスマホという画期的な新商品の発表は、ユーザーにとってはとて
も喜ばしい事です。
しかし、画期的な新商品は、直ぐに市場全体を抑えるほど急速に普及します。
そして必ず、その市場は買い替え需要のみの価格がものを言う市場となり、
縮小してゆきます。
ピアノで世界を制したヤマハ、時計ムーブメントで世界を制したシチズン、
2輪車で世界を制したホンダ、256DRAMで世界を制した東芝・NEC、CDで世界
を制したソニー。日本には世界を制した偉大な企業が少なくありません。
しかし、その後は「価格」市場化して、その優位性を維持することはできま
せんでした。
今も昔も、画期的な新商品の発明の後は、それを使った、画期的な新市場の
発明が重要であり、日本企業の課題なのです。
