2016/06/29 No.3324
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10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
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今日のNews
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●7月1日に発表される日銀短観では大企業製造業の業況判断DIが一段と悪化し、
5月の消費者物価指数でも3カ月連続のマイナスになるとの予想が多い。追加緩和
は待ったなしの状況になってきた。
日銀は6月の金融政策決定会合で追加緩和を見送った。投機筋の一部から「日銀は
手詰まりで、打つ手がない」と見透かされてきた。日銀限界説を払拭するためにも
今後、緩和カードを切ることになるだろう。
想定される追加緩和策はマイナス金利の拡大だけではない。上場投資信託(ETF)
の買い入れを大幅に増額する、資産買い入れの対象を地方債まで広げるといった思
い切ったものにすれば、市場に与えるインパクトも大きくなる。
日本経済新聞 2016年6月29日
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佐々木の視点・考え方
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★上記日経編集委員の主張は、「日銀は追加緩和せよ。国債が買えないなら株を更に
買え」というワイルドなもの。
どうも、日銀の緩和策は、金融政策の一環としてしているもので、時期が来れば
反対売買を必ずするもので、その際には大きな株価下落が必至であることをご存
じないようだ。
国債の買い入れは、満期償還することで、保有が自然消滅する。
株のポジションは「売る」事でしか解消されない。
更に、緩和に用いるお金は不換紙幣の発行によるものであり、交換価値としての
紙幣の信頼を落として、交換不能になる可能性が高まる。
ご承知かもしれないが、日銀は13年以降、日本株を大量に購入している。
世界に、株式を購入保有している中央銀行は無いから、空前絶後の事態だ。
今年3月末までで8.6兆円もあり、日本株の全ETFの55%を日銀が買い占め
ている。
つまり、日銀はかなりの日本企業の大株主なのだ。
テルモ、ヤマハ、大和ハウス工業、住友不動産、三菱マテリアル、ミツミ電機は
日銀が3位内の大株主。ファーストリテイリングは9%の株主だ。
もっとも、日銀は1位の大株主にはなれない。
なぜなら、GPIFが1位になるほどの大幅な日本株買いをしたからだ。
要は、日本株の大株主は政府系の2投資家に独占されているのだ。
現在でも年間3兆円づつ買い増ししており、この大株主としての存在感はいや増す
ことになっている。
日経編集委員の主張するように、株の買い入れ額を大きく増やすことになれば、
大株主として日銀の存在は増し、多くの企業のトップ株主になってしまう。
繰り替えすが、日銀は今の「非常時」が終われば、保有株は必ず売ってゼロにする。
その時に、株式市場に何が起きるのだろう。
発行済み株数の2割も保有する株主が売切れば、それだけで株価はもの凄く下がり
売りが売りを呼ぶ、死のスパイラルに陥る可能性が高い。
目先の株価を上げるための後先考えない策は、将来に大きな禍根を残す。
