2016/4/20 No.3279
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 10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
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   今日のNews
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●元日本銀行理事の早川英男氏は、日銀はマイナス金利導入で消費者、特に高齢者
の恐怖心と金融機関の怒りを招くという致命的な間違いを犯したため、月末の金融
政策決定会合でさらに金利を引き下げるのは困難だと指摘。当面は時間稼ぎをする
しかないが、7月には対応を迫られる可能性があるとの見方を示した。
 日銀がマイナス金利の導入で犯した致命的な間違いがもう1つある、と早川氏は
 指摘する。短期決戦で物価を上げ切れなかったマネタリーベースを目標とする手法
 をやめる千載一遇のチャンスを逃したことだという。
 早川氏によると、日銀内の多くはもともと、マネタリーベースを増やせば期待イン
 フレが上がるというシンプルなマネタリストの論理は信じていないという。
 大規模な長期国債の購入で大幅な円安になれば、輸出が増えて景気が上向き、輸入
 物価上昇で物価は上がる。企業収益が改善して賃金も上がれば、持続的な物価上昇
 につながり得る。早川氏は、「何をやってもデフレから脱却できなかったわけだか
 ら、うまくいくかどうか分からないが一回やってみればどうか、という考え方は
 当然あり得た」と語る。
 しかし「うまくいく可能性は短期決戦以外にはなかった」と早川氏はみる。大規模
 な国債の購入は2年は可能でも4年も5年もできないだけでなく、「もともと理屈
 が何もないので、時間がたてば馬脚を現す可能性は十分あった」という。しかも
 量的・質的緩和の出口では日銀が巨額の損失を抱える。「買う金額が多ければ多い
 ほど、長期戦になればなるほど、その規模が大きくなる」と指摘する。
 早川氏はその上で、「マイナス金利の導入を執行部指示のような形で周到な準備の
 下で実施し、一方でこの際マネタリーベース目標は減らすというやり方をとって
 いれば、ずっとうまくいったはずだ。1月の失敗はコストが大きい。やはり拙速
 な決定だった」と述べた。
                  ブルームバーグ 4月19日 
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   佐々木の視点・考え方
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★バーナンキFRB元議長は言った。

量的緩和の問題点は、それが現実には効果を発揮したが、理論的には効果がない
ことだ。

 つまり、市場がFRBの政策を盲目的に信じたから、効果があったわけで、この
 政策は「偽薬」だから、市場が偽薬だと気付く前に撤収しなければならない。

 このバーナンキ発言こそが、なぜ今のイエレンFRBが市場の懸念や景気停滞の
 さなかに利上げをしようとしてきたかを物語る。

 同じように、生抜きで中央銀行のことを良く知る元日本銀行理事の早川氏も同じ
 事を言ったのが上記記事。

 インフレを作るには、マネーサプライ(≒銀行預金総額)を大きく増やせば良い
 のだが、その基になるベースマネー(=貨幣総額+日銀預金)を増やしても、乗数
 効果が大きく落ち込むためにマネーサプライは思うようには増えない。

 だから、量的緩和をしても通常のインフレにはならない。
 量的緩和に何ら理論的根拠は無い。

 しかし、「大規模な長期国債の購入で大幅な円安になれば、輸出が増えて景気が
 上向き、輸入物価上昇で物価は上がる。企業収益が改善して賃金も上がれば、持
 続的な物価上昇につながり得る。」と言う表現で、為替操作をすれば、インフレ
 になるし、外需効果で景気も良くなる道があると示した。

 これは外国の国内需要を奪う政策であるから、交易相手国が何時までも容認する
 はずがないし、為替安が継続的に進まないと破綻する政策でもある。

 長期になれば、上記の事が市場にばれるし、市場から買う充分な国債が無くなる
 し、買い入れた資産を売却する出口戦略で日本銀行は巨額の損失を出して破綻
 する可能性がある。

 量的緩和と言う失敗策から打撃が少ないうちに撤収するのは早期撤収しかないと
 いうことを二人のセントラルバンカーは言っている。

 1月のマイナス金利政策導入は、ベースマネーの日銀預金保有者にに罰を与える
 政策ゆえ、量的緩和額を減らす金融引き締め策だ。

 つまり、市場に「量的緩和を終え、日銀は出口地戦略に差し掛かった」という明確
 なメッセージを送った。しかし、国債購入額を変えなかったので、迷走している
 とも暗示した。

 「量的緩和を早期撤収しなかった」と「量的緩和と金融引き締め策の2策併存」
 という2つの失策をした日銀には大きな罰が与えられることを記事は示す。

★今日のコメントは少し分りづらいかもしれません。
 しかし、地面がひっくり返るくらいの大きな地殻変動中だという事だけは
 ご記憶下さい。