2016/06/14 No.3313
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   今日のNews
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●米マイクロソフトは13日、ビジネス向け交流サイト(SNS)大手の米リンク
 トインを262億ドル(約2兆7800億円)で買収すると発表した。マイクロソフト
 にとって過去最大の買収となる。世界で4億人以上の会員を持つリンクトインを
 傘下に収めることで、「オフィス365」を中心とするクラウド事業の拡大につなげる。
 マイクロソフトはリンクトインの株式を1株196ドルの現金で買い取る。10日の
 終値に50%のプレミアムを上乗せした水準。買収手続きは1年以内に完了する見通し。
               日本経済新聞 216年6月14日
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   佐々木の視点・考え方
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★リンクトイン買収の経済的影響については他が書くだろうし、徒然で採りあげるから
 ここでは書かない。

 しかし1点だけ気付いてほしいポイントがある。

 記事中にマイクロソフトは2.78兆円の現金を支払うとあるが、その現金はどこ
 から来ると思われるか。

 マイクロソフトは直近で11兆円強の現預金を保有している。
 10年12月末には約4兆円だったから、5年で7兆円も現預金を増やした格好だ。

 これだけ多くの現金があるのだから、手持ちのお金で支払うと思うだろう。
 しかし、今回の支払いは全て借金をして支払うとある。

 手持ちの現金を全く使わないのだ。

 これは2つの理由から来ている。税制とゼロ金利だ。

 米国企業は海外で挙げた利益についても米国で課税される。

 日本企業は海外利益は非課税なので日本企業が海外に積極的に投資して進出する
 大きな原動力になっている。

 日米を比較すれば、米国企業が明らかに不利になる。

 そこで、米国は海外利益に課税するのは、米国に利益送金した時まで繰延されて
 いるのだ。

 マイクロソフトの現金の多くは、海外で挙げた利益だ。これを今回の買収の対価で
 リンクトインに支払おうとすれば米国の税務署に1兆円近く払わなければいけない
 ので実質の買収額は3.5兆円にまで膨れ上がる。

 ならば、借金して2.78兆円のまま支払った方が安上がりなのだ。

 幸い、現在の米国の金利は史上最低レベルにある。
 よって、借金を増やしても金利負担は恐ろしく低い。
 だから安易に借金を増やしている。

 10年12月末には約4.5兆円の借金が直近では11兆円だから、現金が増えた
 のと同じだけ借金も増えている。

 米国で大量に利益を出している多国籍企業には同じ傾向が一様に見られる。
 アップルの場合、10年12月末には約2兆円の借金が直近では18兆円に急増し
 現預金の6兆円を遥かに凌駕する債務企業になっている。同社は年間5兆円の株主
 還元をしているがその多くは借金したお金なのだ。

 税制って怖いですね。