2016/07/26 No.3342
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 10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
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   今日のNews
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●上場企業の年金債務(総合2面きょうのことば)が2015年度末で91兆円と過去
 最大に膨らんだ。年金債務は企業が年金・退職金を支払うために現時点でどれ
 だけ蓄えておくべきかを示す。日銀のマイナス金利政策の影響で金利水準が全般
 に下がって運用環境が悪化し、年金債務を厳しく見積もらないといけなくなった。
 この結果、企業年金の未積立額は26兆円に拡大し、業績の重荷になるのが避けら
 れない情勢だ。
 このほど出そろった有価証券報告書をもとに、3642社(金融含む)を集計した。
 年金債務は前の年度末比で5.1%増え、91兆2151億円に達した。
 年金債務を算出する際は金利水準に応じて調整を加える。運用環境の変化を織り
 込む会計処理だ。金利が高ければ運用で資産を増やしやすいので、将来の年金な
 どの支払額に比べて現時点で用意すべき額は小さく見積もる。反対に金利低下が
 進むと多めに準備しておく必要があると見なし、年金債務は増加する。
 年金債務を調整するための利率を「割引率」と呼ぶ。上場企業の割引率は15年度
 に平均で0.863%と過去最低になった。マイナス金利政策を受けて10年物国債の
 利回りがマイナス圏まで落ち込み、企業は割引率を下げざるを得なかった。
 日本経済新聞 2016年7月26日
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   佐々木の視点・考え方
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★このニュースで重要なのは「大手企業の年金が積み立て不足」ではない。

 上場企業従業員向けの年金は、10年支払のものが多く、引退した企業人が
 老後生活費であてにするのが、夫婦で終身支払ってくれる公的年金だ。

 上場企業従業員向け年金が積み立て不足になったのは、支払の時期までに運用
 して増やす前提の予定利回りが下がったからだ。

 日銀が長期金利をマイナスにまで引き下げ、上昇させる事は長期に難しい。
 もはや1%以上の利回りを得るのが難しく、今や0.86%がせいぜいだ。

 ではここで質問です。

 企業年金よりも積み立てなければいけない額が巨大で1千兆円を超え、予定
 利率を大手企業が1%以下にまで引き下げたのに、未だに4.3%のと低利
 率で数理計算している年金があったらどうなるでしょう。
 ちなみに、この年金の支払いは死亡時までですから、長い人は50年も貰い
 続ける仕組みです。

 4.3%で運用できるなら、50年後に100万円支払うためには、今、
 12万円準備すれば良いのです。

 しかし、大手企業のように0.86%でしか運用できないのなら、今準備す
 べきお金は65万円に増えます。

 この年金は100万円の年金支払いにつき、今の12万円の5.35倍の65
 万円を準備しておかないと、年金は支払えないのです。

 1千兆円の支払いがあるなら、今の必要準備額は120兆円ではなく、650
 兆円は準備しておかねばいけないのです。今すぐ535兆円を積み立てないと
 この年金は破綻します。

 さて、この年金は一体、どんな年金でしょうか。
 今年大損したとかで話題になっていましたよね。
 あなたも加入してますよね。