2016/06/03 No.3307
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 10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
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   今日のNews
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●米配車サービス最大手ウーバーテクノロジーズは1日、サウジアラビアの政府系
ファンド「公共投資ファンド(PIF)」から35億ドル(約3800億円)の出資を
受けたと発表した。ウーバーとしては過去最大の調達。米アップルが中国の配車
サービス最大手の滴滴出行に10億ドルを投じるなど、配車サービスに国境をまた
ぎ巨額の資金が集まっている。
 英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、PIFにとって民間企業に対す
 る最大の投資案件になる。PIFはウーバーの発行済み株式の約5%を取得する
 ことになり、ウーバーに取締役を派遣する予定。
 ウーバーはすでに累計で140億ドル以上の資金を調達している。今回の資金調達
 時の評価で算出したウーバーの企業価値は625億ドル相当。未上場のベンチャー
 としては空前の規模に成長しており、展開地域は現在、世界60カ国以上だ。
               日本経済新聞 216年6月2日
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   佐々木の視点・考え方
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★この記事の最重要ポイントは最後のほうにある「企業価値は625億ドル」。
 今回のPIF他の資金調達を含めると660億ドルになる。

 年間約1千万台の自動車を販売するGMの時価総額は、470億ドルしかなく
 ウーバーはGM1.44倍であり、GMを買収可能な時価総額なのだ。
 https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-OH282_CarHer_G_20160602073443.jpg

 他と比べれば、トヨタの1600億ドルには遥か及ばないが、VWとはほぼ拮抗
 しており、本田(491億)、日産(445億)、BMW(481億)等の大手自動車会社
 を凌ぐ時価総額だ。

 ウーバーが上場すれば、時価総額は1千億ドルを超えてくるだろうから、ウーバー
 はトヨタ以外のどの自動車会社も買収できる巨大企業に成る。

 もちろん、事業の内容や売り上げで見れば今のウーバーは、自動車会社にとって
 無視できる存在に過ぎない。

 しかし、自動運転車が街を走行する時代が来れば話は変わる。

 街を走行する車の大半が配車サービスで動く自動運転車になるであろうことは容易
 に想像がつく。そして、配車サービスは利用する自動車を自由に決められる。

 そして、ここがポイントだが、投資家は既に最大の配車サービス会社の時価総額を
 大手自動車会社よりも高く評価することで、配車サービス会社が自動車会社を支配
 する時代が来ると意思表明している事だ。
 
★私がウーバーのCEOならやる事は2つ。

 1つは、現在の配車サービスのシェアをもっと高めて独占的立場を確保すること。 
 2つめは、IPOして多額の資金を集めて、GEの航空機リース会社(註)の自動
 車版を創って、数千万~数億台の自動運転車をリースすること。

 巨大な購買力で好きな仕様の自動車を作らせて、物凄く安価で購入できるため、
 安定して巨額のリース収益と言う日銭を稼げるだけでなく、配車サービスでも他を
 寄せ付けなくできる。

 ウーバーは、モノづくりをする必要は一切ないが、現状の延長でビジネスモデルを
 整えれば、全ての自動車産業を支配することが出来る。

 章男君、カルロス君、隆弘君はこうした未来を知っているのだろうか。

註:GEのエンジン部門はボーイング等の下請けですが、飛行機を世界で最も多く
  買っている航空機リース会社を保有しているため、リース会社がJAL等の
  航空会社に「GEのエンジンの飛行機でないとリースしない」と蔭で圧力を
  かけられるため、航空関連メーカー中で最も高い利益率を挙げています。